2016/09/29 16:13
私の実家は、看板業を営んでいます。365日のほとんどを作業着で過ごす父を子どもの頃から見て育ちました。
自分自身も工業高等学校出身のため、学校生活のほとんどを作業着で過ごしました。
最初はノリがついてぴしっとしている作業着も、3年間も着込むと、それぞれの身体の形に馴染んでいきます。
汚れて縮んで破れる事で、最高にかっこいいファッションに変わります。
その服に袖を通さずとも、誰が着ているのかわかります。
その人自身になっていく服が、作業着の魅力なのだと感じていました。
作業着を着て、美しいものを作り上げるたびに汚れて行く服って素敵だなと感じていました。
華やかなものの裏側には必ず、それを支える人たちがいます。
汚れてもいい服を着て、創り上げるために走り回る人たちがいます。
そんな人達のためのファッションを打ち出せたらいいなという想いを抱き、
今回ご紹介するツナギを作りました。
「作業着」というファッションを自由に楽しんでいただくために、
なるべく余分なものを無くし、プレーンでシンプルな仕上がりにしました。
生地には光沢感のある目の詰まったコットンの「コーマバーバリー」を使用し、
カジュアルながらも高級感を出しました。
袖や裾をまくる事を想定して、縫製を丁寧に。
腰の位置を下げ、ラインをシャープにする事でスタイリッシュなシルエットに。
ボタンには部品をイメージした真鍮を使用。
アクセサリーなどでアレンジできるようにベルト通しをつけました。
全ての「創る」人達に着ていただければと思います。
私たちの服にルールはありません。
たくさん着て、たくさん汚して楽しんでいただければと思います。